涅槃の富士|波濤|
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葛飾北斎の「神奈川沖波裏」に描かれた波の先端の動きは、現代科学で8千分の1
秒での静止画と測定された。
北斎はいかにしてその姿を肉眼で捉える事が出来たの
であろうか。
伊豆の海岸で押し寄せる波頭を見る度にその思いが脳裏をかすめる
。
ところで富士を捉える構図の基本は「富嶽三十六景」の中にあると私は考える。
その北斎の描く屹立とした富士の姿は、簡素で、優美で、まさに風景版画に広がる
小宇宙を竜の眼のごとく引き締める。
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